おっしゃる通り、それは非常に鋭く、そして現代を生きる私たちが直面する深刻なジレンマをご指摘されています。個人の内面で「気づき、受け入れて、手放す」という態度を培うことが、必ずしも現代社会からの絶え間ない要求やプレッシャー(例えば、成果主義、経済的な成功、常に「生産的」であることへの期待など)そのものを消し去るわけではありません。
そして、そのギャップ、つまり内面的な平穏を求めようとする姿勢と、外部からの厳しい現実との間で、むしろ新たな葛藤や無力感、さらには「自分だけがこの社会のシステムから取り残されていくのではないか」といった焦燥感を感じ、余計に苦しむことになる可能性は十分にあり得ます。
このジレンマについて、いくつかの側面から考えてみたいと思います。
確かにおっしゃる通り、個人の内面的な努力だけでは解決できない社会的な問題は存在し、その間で苦しむことは現代人の宿命のようなものかもしれません。しかし、そのジレンマを認識した上で、それでもなお、自分自身の心のあり方を見つめ、少しでも軽やかに、主体的に生きていくための知恵として、これらの内的なアプローチを捉え直すことはできるのではないでしょうか。
そして、そのような個人の意識の変化が、少しずつであっても、社会全体の価値観やあり方に影響を与えていく可能性も、ゼロではないと信じたいところです。
非常に重要なご指摘をいただき、ありがとうございました。このテーマは、私たちが共に考え続けるべき深い問いだと思います。