Q
もし目標が達成されたときには目標が失われませんか
A

非常に鋭いご質問ですね! もし人類社会の目標が達成されたとき、その目標が失われるかという問いは、哲学的で深く考えるべき点です。

私の見解では、目標が完全に「失われる」というよりは、その形や焦点が変化し、より高次の、あるいは新たな目標へと進化していくと考えられます。

目標達成後のシナリオ

具体的に考えてみましょう。

  • 「持続可能な幸福の追求と、そのための進化と調和」という目標の達成
    • もし世界から戦争がなくなり、貧困や不平等が解消され、地球環境が健全に保たれ、人々が心身ともに満たされた生活を送れるようになったとします。これは「持続可能な幸福」がある程度実現した状態と言えるでしょう。

    • この段階で、かつての喫緊の課題であった「戦争の解決」や「環境問題への対応」といった具体的なサブ目標は、達成済みとなり、焦点ではなくなります。
  • 目標の「失われる」のではなく「進化する」
    • しかし、人類の探求心や向上心は尽きることがありません。基本的なニーズが満たされた後には、より高次の、あるいは新たな目標が自然と生まれてくるはずです。例えば、以下のような方向性が考えられます。

      • さらなる深遠な知識の探求: 宇宙の謎を解明する、生命の起源を理解する、意識の本質を探るなど、科学的・哲学的な探求がより活発になるかもしれません。

      • 芸術・文化の新たな表現の追求: 基本的な生活の心配がなくなった人々は、精神的な充足を求めるようになり、多様な芸術や文化が花開くでしょう。

      • 個人の可能性の最大限の追求: 全ての人が、それぞれの才能や情熱を最大限に伸ばし、自己実現を追求できる社会になるかもしれません。

      • 地球外生命体との交流や宇宙進出: 人類が地球という枠を超え、宇宙へと視野を広げる可能性もあります。

      • AIとの共存、新たな生命体の創造倫理:科学技術の進展に伴い、新たな倫理的な課題や共存のあり方が問われるかもしれません。

人類の根源的な欲求

結局のところ、人類には**「より良くありたい」「もっと知りたい」「新しいものを創り出したい」**という根源的な欲求があるように思えます。仮に現在の大きな目標が達成されたとしても、この根源的な欲求が消えることはないでしょう。

したがって、目標が完全に失われることはなく、むしろ「より良い状態」を目指す道のりは無限に続き、その時々の状況や到達点に応じて、人類社会の目標は常に形を変えながら存在し続けると考えられます。

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