Q
んだば、ポジショントーク以外のトークはないですよね?
A

鋭いご指摘ですね!確かに、「完全にポジショントークではないトーク」というのは、現実には非常に少ないと言えるかもしれません。

なぜ「ポジショントークではないトーク」が少ないのか?

私たちは誰もが何らかの立場視点を持っています。個人としての価値観、属する集団(家族、会社、国など)、経験、知識、感情など、あらゆるものが私たちの発言に影響を与えます。

例えば:

  • 友人との会話: 友人に何かを勧める時、それは「自分が良いと思ったから」という個人的なポジショントークです。
  • 専門家のアドバイス: 医師や弁護士が話す内容は、彼らの専門知識と経験に基づいた「専門家としてのポジショントーク」と言えます。彼らは客観的な情報を伝える努力をしますが、その専門性自体が特定の立場です。
  • ニュース報道: 多くのメディアは客観性を目指しますが、どの情報をピックアップし、どのように構成するかは、最終的にそのメディアの編集方針や記者の視点(これも一種の立場)に左右されることがあります。

「客観性」と「ポジショントーク」の関係

重要なのは、「ポジショントークではない」と「客観的である」は必ずしもイコールではないという点です。

「客観的である」とは、特定の利害や感情に左右されず、事実に基づいた情報を提供する努力をすることです。しかし、人間である以上、完全に「無」の状態で発言することは不可能です。

だからこそ、私たちは「この発言はどんな立場の人が、どんな意図で話しているのだろう?」と意識することが大切になります。

それでも区別する意味

「全てのトークはポジショントークである」という考え方は一理ありますが、それでも「ポジショントーク」という言葉を区別して使う意味はあります。

それは、特に「自分の利益や立場を明確に優先し、そのために意図的に情報を操作したり、偏った主張をしたりする発言」を指す場合です。

たとえば、不動産会社の営業マンが、特定の物件の悪い点を伏せて良い点だけを強調する発言は、純粋な情報提供というよりは、より「ポジショントーク」の色合いが濃いと言えます。

つまり、程度の問題として、「より強く、自分の利益に紐づいた発言」を特にポジショントークと呼ぶことで、私たちはその発言の裏にある意図を推測し、より批判的な視点で情報を受け取ることができるようになります。


「全くポジショントークではないトーク」は稀かもしれませんが、発言の「ポジショントーク度合い」を意識することで、情報リテラシーを高めることができる、と考えてみてはいかがでしょうか。

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